ウチの父親の実家&兄弟が漁師をやっているので
上記の食べ物は子供の頃から送られてきていた。
ナマのまま醤油をかけて食べる。薬味はわさび。それだけ。
子供の頃はそんな食事がイヤだった。
体が冷えるし、見た目もつまらないし、いつも同じだし。
たまたには見た目からしておいしそうな洋食が食べたかった。
友達と夕飯の話題になるのがイヤだった。
「なにそれー?」とか「えー、そんなの知らない」と言われてしまうから。
家に友達が泊まりに来た日には、親がおかずに何を出すのかいつもヒヤヒヤした。
結局海の幸でもてなすハメになるんだけど、初めて食べるコがいたり
「こんなのいつも食べてるの?」とか「おばちゃん、何これ?」などと必ず珍しがられた。
普通の子供は何も知らない。当たり前だけど。それは本当にイヤだった。
20代前半までそういう状態が続いた。
社会人としての生活が始まり、それなりにきちんとした飲食店を知っていくにつれて
それらの食材が少し高額で贅沢なものという事が私にも分かってきた。
今は父の両親は他界し、父の兄弟達(=叔父)も年をとってしまって
体力がないし寒さが体にこたえるしで、そろそろ引退の時期がきてるらしい。
引退したらもう送ってもらえなくなってしまう。後継者はいないから。
今まで何を送ってくれていたのか、ようやく分かるようになってきたのに…。
子供の頃からこれまで自分が感じてきたことが悔やまれるというか…。
ちょっと表現できないんだけど、後悔もあるし、自分を恥じる気持ちが少しある。
さっき、田舎の人が送ってくれたサケをバター焼きにして家族で食べた。
サケの胴体を輪切りにして焼いたヤツ。
サケは一匹まるごと送ってくる。お腹にいくらが入った状態のを年に数本も。
やわらかくておいしかった。。。少し涙が出そうになった。
以上、実話です。
おわり